イタリア最新駐車違反情報

免許を取って以来、レッカー移動なんて1回あったかな。路上駐車があたり前のヨーロッパ、よほど悪質でない限りレッカー移動なんてないはず・・・と思っていたのだが。
 3月下旬のフランス国境に近いイタリアの街、ベンチミグーリア。フランス側のコートダジュールをゆっくり回ったので、少しだけイタリア側(通称リビエラ)も見ようかとやって来た。そいえばかなり前にこの街で「銅鍋」を買ったことがあり(別にここで買う意味は無かったが、当時の円リラ相場では驚くほどこういったものが安かった)、泊まるだけの安いホテルも何軒かあるだろうと。一発で手頃な宿を見つけ、すぐ近くの路上に駐車も終了。チェックインを済ませると、大柄なおじさんが下手な英語で(って失礼)なんだか話しかけてくる??あ〜どうやら車の駐車場所について注意をしてくれているようだ。何々、木曜日の夜は海沿いの道路は駐車禁止だ、ここから500メートル先の交差点からはOKだって?ふーんと軽く聞き流したのは、その日が水曜日で1泊だけしかしないつもりだったから。(と大きな声では言えないが、英語を話すこのおじさんが今ひとつ信用できず、なれない英語で曜日とか間違えてるかもしれないしな)翌日朝予定を決め、もう1泊することにして出かける。ふとそういえば今晩が木曜の夜か、あのおじさんが言ってた情報を思い出し多少心に留めて。
 さて、その日いくつかの綺麗な海を堪能した帰路、小さい丘(Poggio峠途中)のうえにあるレストランで夕食にする。簡単にピザとワインで済ませ、結構おいしかったのでもう1枚おじさんに注文、トイレに寄った帰りに店内を何気なく眺めた。壁にいくつかの賞状や新聞記事があり、結構な賞の受賞式やら賞状やらを発見。写真がピザの注文をとってくれた、ちょっとさえないイタリアおじさん(っと失礼)に似ているが・・「あれこの人ってあなたですか?」と聞くとうれしそうに「そうそう俺なんだよ」って。ちょうど英語を話す娘さんがやってきて通訳もしてくれて、10年前とはいえすごい賞であることがわかり、どうりでピザもおいしかった訳だとうなずいていると「でもピザだけはマンマが作るのよ」。「パパの料理はとってもおいしいわよ、見てよ私のこの体??」たしかにお世辞にもスリムではない彼女であった。じゃあ、と2日後に(Milan-Sanremo)この近くに来るので、非常に込むであろうその日のランチを予約してちょっとほくそえみながら静まり返った海辺の街へ。
ワインも効いて後は早く眠るだけ、とそうそう駐車場所か。やはり海外では慎重に行動しないと、ましてやここは一応イタリアだし。(他意はありませんがやはりフランスのほうがちょっとだけ何をするにも安心感があるのは事実です)ちょっと遠いけどっと、宿の前からおじさんの言ってた500メートルほど先からはOKって、ほんとかな、空きスペースを探すが当然ながらそうそう空きスペースがないのが常。やっと駐車。ふと、まてよここだってそもそも路上駐車な訳で安全ではないじゃないか、それならやっぱり10分近く歩くけどさっき通った公園脇のちゃんとしたラインがあるところが空いていたぞ・・・。5分後そちらへ移し、さあこれで何の心配もないぞと部屋へ戻った。
 さて翌朝、予報以上に天気が良く朝はやく目が覚めた。歩いて30秒で美しい海岸線が続いている、せっかくだから朝焼けの海でも見ようと6時前には宿を出る。綺麗な朝焼けを見て、ちょうどに日本にも電話しておこうと、公衆電話へ。しかしこの国では驚きもしないがそうも電話の具合が悪くあきらめる。
で宿の前の海沿いに通りは閉鎖され、市の準備をし始める車がびっしり、なるほどこれじゃあのおじさんの言うとおりだな、こんなところに停めたら完全に撤去されちぇってた訳だ、危ない危ない。このときには何の不安もなかった。まあ海沿いの散歩がてら、あの公園の車の辺まで行ってみようか。それにしても結構大きな市なんだな500メートル以上ずっと道路封鎖してマーケットになるのか・・。こんなとこに停めなくてよかったよな、それにしても。いや〜朝の海辺は気持ちいいね。あ〜ここここ、ここを曲がると公園があって私のFORDFOCUSは・・・??あれ、この道も何だか市の準備が続いているぞ〜まさか??何もない。間違いなく昨日の夜10時頃にはほかにもたくさん停まっていた他の車も何もない。5秒ぐらい、そうその事実を認めたくながっている自分が立ちすくんでいたが。やがて諦めと怒り(っていったい何に怒ればいいのかな)と後悔と情けなさが入り混じったいやーな虚しさにおそわれた・・。
店の支度をしている人に聞いてみようかとも思ったが、しょせんイタリア語では会話が成立しない。経験上こういうときはあわてずに、一番いい方法を選び最短距離で解決までもっていくこと、そうでないと心身ともに疲れ果てることになるのだ。今となってはあの怪しげな英語を話すおっさん、おっととんでもないイタリア紳士が最も頼りになるはずだ。10分前とは全く異なる心持で、それでも貧乏性なのか僅かの慰めになると思ってか、綺麗な海だけは眺めつつ。宿へ戻り、誰もいない早朝のフロントであのおじさんがいてくれることを願いつつ呼ぶと、パンツ1枚の眠そうなおじさんが出てきた。精一杯の笑みをうかべすまなさそうに(って本当にすまなく思っていましたが)、車がやられてしまったんです、駐車違反で・・って。5秒ぐらいして、どうやら事態がわかったおじさん、だからいわんこっちゃ無い俺の言うとおりに何で東側に停めなかったんだ、って間違いなくそういうことを両手を天井にあげて・・。これが他人事なら、絵に書いたようなイタリア人の身振り手振りだななどと一瞬思う間もなく、一生懸命どうしたらいいのか、やはり「レッカー移動(これってニホンゴでしょうかね)されちゃったんでしょうか、車はどこにもってかれちゃったんでしょうか、どの警察にいって・・・次々とこれから運が良くても最低限避けられなし煩雑な手続を想像しつつ、おじさんに通じているかどうかわからないが英語で質問をし、「お願いおじさん」的な表情を全身に表して・・・。(そういえば先日たいへん久しぶりにお会いしたKさんが、Kナダでレッカー移動されてあせったよ、とおっしっていましたね、そのときは甘いな〜私なんかしょっちゅうヨーロッパに行っているけど一回もそんな・・・なんて思ったものでした、これは読んでないですね今も、Kさん?)
30分後、再びさきほどの海沿いの道を歩いている私、すでに人も出始めている。まだ落ち込んではいるもののちらちらと品物にも目が行く。歩いて30分、警察署に到着。あのおじさんは誰か英語を話すだろう、などといっていたが(すいませんやはりイタリア人のこの手の言葉はそのままには取れません)、おお感心、ちょっと落ちつた感じのその警察官は上手な英語を話すではないか。ここに来るまでに「駐車違反」「レッカー移動」「日本だと今いくらぐらいかかるんだ?」「でも盗難にあたわけでなく車は保管してるはずだ」「あとは費用の問題だけだ」と情報を整理、最大損失予算を思い切って多めに設定し、「それ以内で収まればよしとしよう、と決める。ここまでたどりつくと少し余裕が出てくるわけで、難しい顔をしてPCでイロイロ入力しているこのおじさんもイタリア人、何だ仕事が終わればそのへんのBARでビールやワインを飲んでるわけだ、などとよくわからない理由で安心し、○○○ユーロをここで払い、この書類を持ってここにいってそこであと○○○ユーロをそこで払いなさい、とどうやらそういうことになっているようだ。カードでも払えるが数パーセント割高になるらしい。その数パーセントはこの際どうでもいいが、さすがにイタリア警察への罰金支払い履歴はの残したくない気がしたので、迷わず現金で。まあもう少し余裕があれば、カードで払っておいて帰国後、カード会社に「こんな請求全く心当たりがない」などとクレームしてみたらそうなるのかな??まあイタリアへはこれからも何度も行くのでそれは冗談でしかないが。このまま大人しく罰金を払って、というのも何となくしゃくだけど、イタリア語がわからない外国人なんだから大目に見てよと交渉する時間も見込みも、そもそも語学力がないのでその代りに「毎週金曜日はあそこはダメなんですね」「次回は気をつけますよ」などとちょっとイタリア人風(って誰も見てないからわかりませんね)にジェスチェアを入れて挨拶をして立ち去る。
さらに30分後、郊外のちょっとあやしげな(夜ならちょっと歩きたくないような)ところへ到着、どうやらここがそこ(イタリア地方警察公認レッカー移動後の違反駐車車両公認一時保管場所?)らしい。何よりもほっとするのは我が愛車のグレーのFOCUSが間違いなく「あった」から。やれやれとんだ回り道に無駄使いになったが、それでもこうして・・・。ちょっと余裕度が増し、レッカー移動代を半分冗談で「値切って」見たりしたがもちろんあっさり笑われて終わり。まあこんなちょっとした冗談を言えるように自分の気持ちを持っていくのも、長い海外生活(じゃなくて滞在かな)では結構大切なことな訳で。
さて最後に問題です。

本文をよく読んで以下の問いに答えてください。

1.警察に支払った罰金はいくらでしょう。  (配点30)
2.レッカー移動代で業者に払った金額はいくらでしょう。  (配点30)
3.1、2をあわせると、ちょうど私がお土産として買っていこうと思っていたものが買えたのですが(??)それは何だったでしょう。 (配点40)
 ①ベンツAタイプ ②ディオールのショール ③ポルチーニ 2キログラム ④エスプレッソマシーン ⑤「最後の晩餐」年間フリーパス ⑥門さんの嘘つき!

ちなみに私の「日本国免許証」、依然として無事故無違反となっております。