DAY5

最終日。昨日の不調は折込済なので、今日こそがこの5日間の成果がはっきり出る日。
当然コースも難易度があがる。
それにしても先月とうってかわったような好天続きの休日だ。
今月に入って急に思い出したかのようなお気に入りLONGコース、山中湖往復が今日のルート。
日野大坂でまずのぼりのきつさが確認できる。やはりまだ重い。
それでも足は回るようだし、少しずつ集中していく感じが出てくる。
いつものUP DOWNをくり返す、細い道を進む。
ここは何度きてもいろいろな意味で走り応えがある。
国道に出ると紅葉がきれいだ。ただこの時期にしてはいやに車が多い。

普段のツーリングでは意外にも、走っているときの楽しさ以上に休憩中や走行前後の満足感・心地よさのレベルアップが大切であることを感じる。
今日の想定ゴール時間から計算すると、休憩ポイントと時間とは限定され、いやでも集中することになる 。分単位で時間のロスを避けねばならない。
急がば回れ」ではないが、こういうときこそ水分やカロリー補給、ウエア選択を完璧にこなすことが大切だ。

このコースは何十回と走っているのでほぼ完璧にマスターしている。
自分でコントロールできない外的要因は3点「風向き、路面のウエット状況、気温」。
最初の休憩ポイント、68キロ地点まで、ダブルボトルの水と少しの走行中補給でエネルギーを持たせる。
予定通りだ。

ここからの峠へののぼりだが、心配されたほどの辛さはなく淡々とペースを刻むいつもの走りができる。
それにしても見えるべきところから、あるべき完璧な美しさで綺麗な白い富士山が見えるのが素晴らしい。
この眺望は間違いなく重要なエネルギー補給、走るエネルギーになる。
湖畔の折り返しポイントで、20分だけ許される休憩時間。正面に富士山、暖かな日差しを満喫しながらここまでの走りをイメージで振り返り、見通しを立てる。

復路のイメージトレーニング。行きと同じく休憩は1個所のみ、水はもつが補給は足りないだろう。止むを得ず走行中に取れるものを準備しよう。
天気、気温とも問題なし、エネルギー補給だけ注意すれば体力的にもOKだろう。
そして復路のスタート。長い下りだが背中にあたる晩秋の日差しが暖かく感じる。
コーナーや勾配、登り返しのポイントなど細部にわたり先がみえる、楽しい下りだ。
ペース配分さえ間違いなければ最後までイーブンペースで持つだろう。この日最後の峠、上りきるとちょうど西の山々が茜色に染まりつつある。
1日で最も美しい時刻のうちのひとつ。頂上でなく、手前の眺めのあるスペースで止まり、手早くウエアを着る。
下りきったあとはイチョウ並木が迎えてくれる。想定以上にキッチリ走りきれた満足感が漂う。
それにしてもLONGの帰路、このあたりを満足感を味わいながら走れるときはうれしいものだ。
それは例えて言えば5つの「集合円」が、複雑な位置をとりながら移動しつつ最後まで中心部分はしっかり重なっているようなものか。
これらのどこかが大きくずれて中心で重ならないとき、不満が残る走行になるだろう。何も想定せず、何も考えず無心で走りきったときの喜びは大きい。
が通常それは1回しか味わえない。そこで次には、ベストコンディションのもとに、高いレベルの設定を課し、それを1つずつ確実に完璧にクリアーし走り切ることを目指す。
これはコンディションが悪い場合でも応用できる。その状況で発揮できる最大の力、体力的というよりは精神的な、コントロールする力を発揮できたことに対する満足感・・・。
走行平均時速の目安25.0K/Hにはちょっと届かなかったが、いくつかの外的要因(簡単に言えば言い訳?)を差し引けば合格ラインとしよう。

このコース、30キロ地点〜140地点まで(実質上)信号ストップがないのでLONG のUP DOWNコースとしては完成度が高いな、とあらためて評価できる。

こうして5日間に渡る5day Autumn Roundは静かに幕を閉じた。